工事管理システム「建て役者」

株式会社玉家建設様

「建て役者」は2016年からご利用いただいています。より良い提案を実現するため、「建て役者」に登録しているデータの数々は「お客様カルテ」として活用。“カルテである以上、情報が欠けてはならない”と些細なこともすべて「建て役者」に登録し、管理をしています。

石川県金沢市にある注文住宅会社。「品質」とは「居心地」であり、その「居心地」の基本は「設計力」と「アフターメンテナンス」との考えから、住思想を深耕した設計コンセプト「シンプル&リッチ」(「美しいデザイン」と「心地良い空間」)をご提案しています。また、お客様の安心の暮らしを実現すべく、「生涯のお抱え大工」を目指し「響倶楽部」を設立。長期にわたる維持管理を実現するために専任スタッフがスピーディに対応しながら大切な居心地をサポートしています。

課 題

  • 紙の大量使用
  • 紙ベースの情報管理

目 的

  • ペーパーレス化
  • 記録に残る情報管理を行う

効 果

  • 紙の使用量が減った
  • 社員全員が同じ情報を共有できるようになった

紙が基本の情報管理アイテム

システム導入前、どんなことが課題となっていましたか?

まず、使用する紙の多さに困っていました。
業界的にだとは思いますが、どうしても紙を多く使用します。
弊社の場合では、1人のお客様に対して、プロジェクトを立ち上げ、営業・設計・工事・コーディネーターの4人一組みで対応します。
たとえば1回打合せを行うと、議事録をそれぞれ担当の手持ち用に4枚コピーします。打合せ回数が増えれば、コピーの枚数も当然増えていきますし、家の引渡を終えると、手持ち用にコピーした議事録や書類は破棄していました。

このように紙での管理を長らく続けていたので、常に机の上は紙の書類が山積みに。
また、各自紙での管理なので紛失や情報の相違、認識違いが発生することもあり、きちんと記録に残して共有や管理ができる仕組みが必要だと感じていました。

なぜシステム導入を考えたのでしょうか?

今から十数年前、名古屋の住宅メーカーがITを活用しているという話を、お付き合いのあった県外の住宅メーカーから紹介され、実際に見学させてもらったことから始まります。

見学するとペーパーレス化が進んでおり、机の上に紙が無いことに驚きました。
ペーパーレス化や業務の効率性、仕事の標準化、しっかりとした情報管理等、社内で課題とされていたことが解決できるのではないかと思い、システム導入を模索し始めました。
 

システムの選定は理想像から実用性へ

当時のシステム選定はどのように進んだのですか?

複数のシステム会社に問い合わせ、システム選定を開始しました。
当時のシステムは管理職中心のプロジェクトで選定し、10年ほど使い続けましたが、入力に不慣れな面もあり、システムを活用するというワークフローが確立できず、ユーザー部門から「こうすればよかったのではないか」という声があがりました。

そこで、管理する立場が考えるシステムと、運用する立場が考えるシステム、それぞれをバランスよく実現するため、新たなシステムとして「建て役者」を導入することを考えたのです。
「建て役者」を選定する際はユーザー部門のメンバーを増やし、20名弱のプロジェクトメンバーで色々な意見が聞けた反面、システムに対して具体的な想像がついてない中であるべき論や理想を考え収集が付かないことも。。。

ですが、前回の反省から理想だけを追い求めるのではなく、情報は出力しやすく、データは各個人が加工や活用がしやすくできるようにつくりあげていきました。
模造紙にその時の業務フローを書いて、改めて業務フローを整理するタイミングにもなりました。

全部門が活用できる「建て役者」

「建て役者」利用はどのように社内に浸透しましたか?

最初に導入したシステムと「建て役者」とで、使い方や使う目的に変わりありません。
お客様の情報を取得した営業の段階から、設計の進捗状況、契約後の工事管理、取引先への発注・請求・支払、お客様への請求・入金管理、引渡後のアフター管理などすべての管理をすべての部門が何らかの形で「建て役者」に携わり、活用しています。

しかし、最初のシステムの時は、入力に消極的な面があり、それが普通の状態になっていました。
また、会社は入力し、情報の蓄積と活用を求めていましたが、そのデータをどのようにアウトプットし、活用すればいいのか使いにくい、わからないという状況でした。

この経験から、「建て役者」を導入する際は、部門長クラスだけでなく、中間管理職にも部下の「建て役者」使用を管理させる意識付けをしました。
管理職が進んで使えば、自然と部下も使ってくれましたし、お客様の情報を「建て役者」に蓄積することで普段の仕事がスムーズになるなど、使うことのメリットを教えたり、実感してもらったりすることで利用頻度が上がっていきました。
 

「お客様カルテ」として使う「建て役者」

「建て役者」を導入して良かったことを教えてください。

お客様と接点ができた段階から、引渡後のアフター管理まで「建て役者」を使って、住宅会社の業務をこなせることです。
今までであれば、営業のリスト、工事のリスト、引渡したリスト等別々に分かれていましたが、「建て役者」を導入したことによって、すべて一連の流れで管理ができています。
点ではなく、線で業務が進み管理ができるのがとてもいいです。

弊社ではお客様の情報を蓄積し管理する「建て役者」を「お客様カルテ」として考えています。カルテである以上、データは欠けてはいけないし、不備があってもいけない。
また、些細なこともすべて知っていなければなりません。今までであれば、担当しか知らなかった些細な情報でも「建て役者」に入力することで、社内全員に共有ができます。

さらに、紙とは違い記録に残して管理が可能になっています。お客様のことを知るということは、お客様からの信頼や安心感につながり、私たちが考える「生涯にわたり『お抱え大工』として末永くお守りしていく」ことを支えてくれています。

プロフィール

■社名       株式会社玉家建設
■所在地      石川県金沢市
■「建て役者」   2016年~
■HP       http://tamayakk.com/