工事管理システム「建て役者」

株式会社sumarch

2018年よりリフォーム・リノベーション・新築事業・土地開発事業と幅広い事業で「建て役者」をご利用いただき、2022年には「電子受発注システム」にて電子取引を開始、ほぼ全ての取引先業者の受発注〜請求〜支払業務の電子化に成功されておられます。

2009年に不動産の売買仲介事業を主として設立され、現在では注文住宅事業やリノベーション事業など、一貫して住まいに関わる多様な事業展開を続けておられます。(2024年現在)

課 題

  • 発注に関する業務フローが確立できていない
  • 紙が多く情報が集約されておらず業務負担が大きい

目 的

  • 発注〜請求〜支払業務の省力化
  • リアルタイムな情報共有

効 果

  • 発注フローの確立と大幅な業務効率アップ
  • 時系列での原価管理、支払情報の見通しと把握
  • 支払いサイクルの改善

システム導入で発注から支払業務フローを確立

導入のきっかけを教えてください

当時、月末になると取引先業社から100通以上の請求書が紙で続々と届き、支払が完了するまで深夜残業続きでした。
1件1件封を開けて中身を確認し、どの現場の誰が依頼したのか…
発注業務が確立できていなかったことで、バラバラの情報をかき集めながら発注の事実を確認することから始める月次処理は困難を極めていました。

請求書の送付先も取引先業者全てを統一することは難しく、把握できない請求が多発した結果、支払遅延や多重払いの事実に気づくことすらできない状況でした。 取引先との契約やお金に関する管理をするために、「建て役者」を導入することに決めました。

「建て役者」を導入してどのように変わりましたか?

まず物件ごとの予算管理は明確になりました。発注と請求と支払いが紐づいているため、来月・再来月どれくらい請求が来るかわからない…なんてこともなくなりました。

更に受発注システム(EDIオプション)導入後は、建て役者システムでの発注がなければ支払は対応できないというルールを設定したため、取引先各社も含めた業務フローがシステムの流れに合わせて自然に確立できました。

今ではこの業務フローが当たり前となり、アフターも含めて支払が発生する案件は全て「建て役者」で管理し、現場全体に定着しています。

受発注システム(E D Iオプション)で取引を電子化

現場の混乱はなかったでしょうか

慣れないことに対する抵抗や導入当初の負担はあったと思いますが、それ以上の効果をすぐに実感できました。
発注書をきることが習慣となる中で、部署を跨いで行う業務ですので、どの部署がどのタイミングで仕事をパスするのかが可視化されて、不必要なアタフタ作業がなくなり、毎月の締め処理のスピードは格段に速くなっています。
毎月約1000件の発注・支払処理(2024年6月現在)をE D Iを通して実行しています。

E D Iはどのような経緯で採用されたのでしょうか?

取引先業社が100社を超えたあたりで受発注システム(EDIオプション)を導入しました。
導入当時より1.5倍ほど拡大した今も、発注〜支払に関する業務は滞ることなく対応できています。

どういった導入効果があるでしょうか?

E D Iによって取引の状態が見えるようになったため、取引先から発注依頼の連絡が入ることもあり、全体で遅延に気づけることで業務スピードが上がったように感じています。

やはり出先から空き時間に発注ができて、その注文が受け取れて、金額の合意が取れた中で施工の段取りがすぐできるっていうのは、画期的でした。
認識違いや手続きにミスがあっても確実に発見できて、またすぐに修正することができるので待ち時間も効率化されています。

取引先業者にもE D I取引利用料を負担いただきトップダウン導入

どのように運用を開始されましたか?

現場任せではなく、経理主導で推進しました。
スポットの工事や特殊な条件でない限り、EDI導入後はすべての受発注と請求処理はEDIを通して行うことを徹底しました。
取引先にとってもお互いにメリットしかないと確信していましたので「EDIでの取引ができないと支払ができない」くらいの覚悟を各取引先と共有しました。

導入をスムーズにする段階的な仮運用

電子取引定着までどのように進められたのでしょうか?

3段階の仮運用を行った後、全社本稼働する計画を立てました。
まず、コンスタントな発注量のある取引先10社の協力を得て、試験的に仮運用を3ヶ月実施しました。
取引ですからお相手があることですし、慣れないと弊社側も対応ができないので…
仮運用する中で、どこでどのように躓くか、机上では読みきれない経験を取引先業者と一緒に学んでいきました。

【取引先業者向け EDI取扱説明サイト 】

その後、取引先業社向けの専用サイトを独自で立ち上げ、仮運用で培ったノウハウを共有していくようにしました。よくある質問や間違いやすい登録から、「請求登録」「注文を請ける」「注文を差し戻す」といった業務単位でのE D Iの使いかたなど、弊社ルールも細かく明記し、それを見ながら業務を進めていただくようにしたところ、操作に関するお問い合わせはほとんどなくなりました。

E D I最大のメリットを教えてください。

取引に関する過去も現在も、全てが明確で、未来の見通しも抜群に見えるようになったことです。
物件ごとの予算管理から発注の有無もですが、いついくら払うか、支払の計画が見える化されます。

お金に関する見通しがたつことは経営にとって重要なことですし、それは取引先にとっても同様のことが言えると思います。

締めてから支払完了まで2週間以上かかっていたが、EDI導入後は郵送の手間や時間がなくなり、ミスがあったとしても余裕を見て1週間で締められるようになりました。
そのため支払いも翌月・翌々月払いから、当月末払いに統一することができたんです。

取引先業社にもメリットをすぐに感じてもらえたことで、それを前提に全社導入できてことで「EDI取引利用料」を取引が発生した月は請求していますが、そのあたりの理解もスムーズでした。

最後に(E D I実務ご担当者様より)

月次処理が信じられないほどスピードアップします。
印刷に郵便、情報の突合や、ミスがあった際の再発行など、全ての業務が効率化して、手間ひま時間コスト全て省力化されています。また、発注処理や月次締めがリモートワークで対応可能になったことも、働き方改革に大きく貢献してくれました。
運用の心配は尽きないと思いますが、自社だけでなく取引先業者にとってもメリットしかないので
場所や時間に縛られず、現場に出ずっぱりな監督も空き時間で発注・請求業務ができるんですから。
紙の請求書が月末大量に届き、現場や発注者を探すところからの月次処理には絶対に戻れません。

プロフィール

■社名:株式会社sumarch
■所在地:愛知県名古屋市
■「建て役者」:2018年~
■HP:https://sumarch.co.jp/