工事管理システム「建て役者」

相羽建設株式会社様

「建て役者」は2009年からご導入いただいています。現社長が今の会長から後継するタイミングで、新築のみからリフォーム・メンテナンスにも事業拡大を決定。新築よりも件数が見込まれるリフォーム・メンテナンス事業を行うためには情報のデータベース化が必要と感じたのが導入のきっかけです。“走りながら考える”を合言葉に「建て役者」の利用を社内に浸透させ、業務効率化を進めています。

東京都東村山市にあり、新築・リフォーム・メンテナンスを行う工務店です。「永く住み続けられる住まい」が大事であると考え、【五感で感じることができる】【経年変化に対応できる】【構造的に安心できる】【パッシブである】【住む人が‟住み続けたい”と思う】住まいづくりを‟つながる人すべて”にご提案しています。

課 題

  • 過去提出した見積や提案資料の管理ができていなかった
  • 引継ぎがうまくいっておらず、「メンテナンスに追われるベテラン」と「手持ち無沙汰な若手」の状態に陥っていた

目 的

  • 情報の整理と一括管理
  • 事業拡大に伴う顧客情報のデータベース化

効 果

  • システム先行導入で、社内オペレーションも確立できた
  • 日々の数字をリアルタイムで確認できるようになった
  • 同じ情報を確認できるので、現場と事務方のやり取りがスムーズになった

紙中心の業務管理

システムを考える前はどのように社内業務を行っていましたか?

当時はExcel管理が中心で、加えてAccessでデータベースを組んで、図面は会社から少し離れた倉庫で保管していました。
図面の保管は10年ですが、万が一のために20年保管していたので山積みに、、、。
お客様から連絡が入ると、その山積みの図面から必要なものを探し出し、当時の情報を確認する作業が発生していました。
ちょっとした作業のために調査が下手すれば何日もかかることもあったんです。
工事件数も社員も増えてきており、このような管理に限界を感じていました。
 

当時ではめずらしい「クラウドシステム」を採用した理由

システムの必要性を感じたのはどういった時でしたか?

前の社長から代替わりする際にメンテナンス、リフォーム事業を始めました。
ちょうど「建て役者」導入と同時期でした。
会社のこれからを考えたとき、[商品を狭めて、エリアを広げる(=従来通り新築のみ)]のか、[商品を広げて、エリアを狭める(=メンテナンス、リフォームも行う)]のか、社員の意見も聞きつつ、後者に方針を固め、事業拡大しました。
メンテナンス、リフォームは件数をこなすため、必然的に情報が溜まっていきます。
膨大な情報を管理するにはデータベースが必要だったんです。

また、当初は基本的に新築を担当した者がそのお客様のメンテナンスを行うので、社歴が長く、引渡しが多ければ多いほどメンテナンス業務に追われ、一方で若手は引渡しが少ない、つまりメンテナンス業務も少ない状況になっていました。
こういった状態のためメンテナンス部隊を作り、引継ぎをスムーズにできるように、今までの商談履歴や工事履歴が追える機能も必要でした。

「建て役者」導入の決め手を教えてください

当時ではめずらしかったクラウドで使えることやカスタマイズに対応いただけるのが大きかったです。
いくつかシステムを見ましたが、[こういった機能が欲しい][この機能は使えない]等自社に合わない部分が多少なりとも出てくるわけです。
そこでシステムサポートに問合せたら、「システム会社なので相談乗りますよ!」とのこと。
「建て役者」を利用している会社の当時のいくつかの事例と、今後もシステム管理をしていきたいという考えから使い始めました。

また、当時すべて社内サーバーで賄っていて、それを外に出したいと考えていました。
【クラウド】は当時、主流ではなく「本当に大丈夫なのか?」という声はありましたが、世の中の方向性としては【クラウド】になっていくだろうし、今後、社内サーバーを増やし続けて自分たちで管理するのは負担になると分かりきっていました。
セキュリティ含めて安心ができ、導入してから1度も問題がないので改めて、良かったと感じています。
 

「走りながら考える」運用方法

「建て役者」を社内に浸透させるために気を付けたことはありますか?

どんないいシステムであっても、使いこなせるかどうかの問題が出てくると思います。
全員が「建て役者」をそれなりに使えるようになるには3,4年かかりました。
紙でなければダメな人もいれば、年齢もばらばら。
特に、今まで紙だけで仕事をしてきた「やり方」を変えることのハードルが高く、定期的に社内で説明会を行ったり、個人単位で説明することも行いました。

また、「建て役者」をiPadで見られるようにして、まずはメンテナンス、リフォームの担当者にiPadを支給。
急に呼ばれることも多い彼らは、外で、特にお客様を訪問する直前に情報を確認できることが「建て役者」を使うメリットとなり、使用率が上がりました。
オペレーションをどうするのかは大事な問題で、弊社でもずっと課題でした。
「建て役者」を入れることでコミュニケーションが生まれたり、普及していく段階で会社の問題が解決するということもありました。
運用まで時間がかかるのがネックで導入に慎重な会社もあると思いますが、うちの会社は「走りながら考える」をモットーにその時その時の最善を考えて今日まで来て、早く導入してよかったなと思います。

経営者のリアルタイムな数字把握は「建て役者」

社長は「建て役者」をどのくらい利用されるんですか?

私は主に数字情報を見ています。
昔は数千万、少なくても数百万の工事を行っていましたが、メンテナンス、リフォームを始めてから数千円、数万円の工事やメンテナンスグッズ販売が増えました。
その日あった売上を一番早く確認できるのは、帳簿や経理ソフトよりも「建て役者」なんです。
統計情報を確認して売上予測と現状の売上をほぼ毎日確認します。経理ソフトによる正確な数字はもちろん必要ですが、ざっくりでいいので、ある程度の方向性を決めるためにも逐一知りたいんです。
そういう意味でいくと、弊社で一番早くリアルタイムに数字が更新されているのは「建て役者」です。
それは、自分だけではなく事務や現場の人間も同じだと思います。

会社のオペレーションに合わせてシステムを考えると思うんですが、徹底的にシステムに合わせると、理想的なオペレーションになるんだろうと考えています。
それはシステムってある意味、「こうやって出来たらいいな」の理想論だと思うからです。

システムを導入する・しない、同じものを使い続ける・続けないの判断は経営側がしますし、現実とシステムにギャップがあればどちらかに合わせなければいけない。
ある程度、会社が考えを切り替えて導入しなければ意味がないのかなと思います。
システムを導入する建築会社が増える中、そのシステムをうまく使いこなせるかというのは、会社に対する総合力のひとつの指標になりつつあるんじゃないかと考えています。

2代目だからこそできること

社長が考えるシステム導入とは?

私は2代目で、他の会社さんの2代目、3代目、また、そのお父さん(彼らの先代)とのお付き合いが多く、システムに関して相談を受けるんです。

息子はシステムを導入したいが、父親は興味がないといった話をよく耳にします。
私自身、システムは代替わりするタイミングで導入するのが良いんじゃないかと考えてます。

父親と息子を比べると経験値等から息子が父親に勝てるものって少ないと思います。
しかし、ITに関しては息子のほうが世代であったり、使いこなしている場合が多い。
なので、「一番最初に任せるものとしてシステムは丁度いいんじゃないですか」とお伝えしています。
事実、30代40代の社長や後継ぎはIT化をよく考えていますし、会社の中で役割を担っている場合もあります。

また、創業した先代とは違い、2代目、3代目は会社の数字を途中から管理しなければいけません。
過去の数字を見て、なぜこのようになったのか、そもそものプロセスがわからない事態に陥ります。
途中から管理するからこそ、どうやって数字と向き合い管理するのかが大切なんです。

「建て役者」のように日々の数字をざっくりでもいいから管理できるのは助かっています。
何年か使って、毎日数字に触れていると自社の傾向や癖がわかってきました。日々の業務に追われている中で導入時期やコスト、製品の特徴を判断して決断するのは難しいと思います。
ITに対してネイティブな世代に世代交代をするタイミングは一つの導入ポイントだと思いますね。

プロフィール

■社名       相羽建設株式会社
■所在地      東京都東村山市
■「建て役者」   2009年~
■HP       http://aibaeco.co.jp/

 

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